ポスターセッション体験記

◎ポスターセッション体験記/津田賀央さんの場合
【発表を通じて人脈が拡がりました。海外広告賞の審査員にも!】

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単なる発表と違って、その場での対話や、見学者からのフィードバックが多いのがポスターセッションの特徴です。実は発表の時に見学に来てくれた学生たちと仲良くなったのですが、彼らは今、社会人になっていてたまに会うんです。一緒に食事をして、お酒も飲むんですが、元々意識の高かった彼らですので、彼らとの話がとても刺激的です。仕事で辛いことがあっても、元気をもらえます(笑)

あ、そう言えば、ポスターセッションを行ったことで、海外広告賞の審査員にもスカウトされました。本当にやって良かったことばかりです。

津田賀央(現SONY、発表時は東急エージェンシー):「Communication as a Service(CaaS) 企業と生活者が直接結びつく時代における”サービスとしてのコミュニケーション”という考え方」(2011年発表)

◎ポスターセッション体験記/宇賀神貴宏さんの場合
【まずは発表してはいかがでしょうか!】

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一応、広告学会というタイトルは付いていますが、実際は学問的なハードルは低いと思います。なぜなら、これから本格的に研究する前の段階でOKだからです。自分が普段、考えている事をそのまま発表すればいいと思います。

発表の仕方については、色づかいの注意と、文字を大きくすることが大事ですね。通りかかる人に対して、遠くからでも見やすく、わかりやすく。津田さんの発表は文字は大きくありませんでしたが、とてもシンプルで良かったです。何と言っても紙に一行で書かれていて主張がハッキリしていましたよね。
あまりかしこまらないで、サークルのポスターのようなイキイキしたものが、新鮮で歓迎されるようです。研究者の先生方もフレッシュなものを求めているのだと思います。その意味では、まずはエントリーすることが大事ですね!

宇賀神貴宏・稲田康次・山崎遼(ADK):「読者から見た、今どきの新聞・新聞広告・電子版」(2013年発表)

◎ポスターセッション体験記/原田俊さんの場合
【日経広告研究所報に載りました!】

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当日は実務家や研究者だけでなく、メディアの編集者の方もいらっしゃっていました。
ポスターセッションで発表した内容に興味を持って頂いた日経広告研究所の方に声を掛けて頂き、発表内容をベースにした論文を掲載して頂けることになりました。思わぬ展開に驚きましたが、ポスターセッションをやって良かったとつくづく思いました。こういう展開もあるということですね!

原田俊さん(DAC):「アドテクノロジーの起こす変化とプライバシー」(2013年発表)

◎ポスターセッション体験記/大橋聡史さんの場合
【ぱっと見て分かる方がいい。9枚というのは意外といい】

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発表に際しての掲示資料の作り方ですが、ポスターセッションには「ポスター」という名が入っているように、じっくり読むというよりは、ぱっと見て分かるものにした方がいいですね。
なぜ9枚なのか不思議ですが、3×3の9枚ってチャーミングだと思うんですよ。9枚って本当によくできている枚数だと思います。

この9枚にいかに簡潔に収めるか。文字はできるだけ少なくシンプルに。さらになるべく図や表も効果的に使うことも大事です。文字も、「1枚に9行まで」などと、あらかじめルールを自分の中で決めて作ると良いと思います。

限られた枚数で、簡潔に伝えなければなりませんので発表者にとっても主張したいポイントがより明確になりますし、見る側にとっても理解しやすいメリットがあります。ポスターセッションという方法論自体が、なかなか良くできていると思います。

大橋聡史 (現インテグレート。発表当時はADK):「ムーブメントのクリエーティブ – 3.0時代の広告の行く方 -」(2011年発表)

◎ポスターセッション体験記/津田賀央さんの場合
【自分のロジックに自信がつきました】

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発表したい内容を社内で発表した時は、比較的理解が得られました。ただ正直なところ、社外の人に自分の経験に基づく考えを発表してわかってもらえるのか、共感してもらえるのか不安がありました。

しかし、驚くほど反響がありました。9枚のポスターというシンプルな形にまとめて発表できたことも良かったのだと思います。その場でのフィードバックや共感の声、全く別の意見なども頂けて、実際のところ、すごく自信がつきました。自分のロジック面だけでなく、フィーリング的にも間違えていなかったんだと思えて、本当に良かったです。

津田賀央(現SONY、発表時は東急エージェンシー):「Communication as a Service(CaaS) 企業と生活者が直接結びつく時代における”サービスとしてのコミュニケーション”という考え方」(2011年発表)

◎ポスターセッション体験記/亀谷政晃さんの場合
【目立つテンプレートは大切かも(笑)】

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観客の興味を引くために発表用のテンプレートには凝りました。できるだけ目立つようにしました(笑)。また、どのページから読んでもらっても大丈夫なように工夫しています。邪道かもしれませんが、これは私にとって大切なことでした(笑)。会場にビデオを用意した発表者もいましたし、そういう自分なりのこだわりは、みなさん持っていていいと思います。結局のところ自分のやり方でいいのだと思います。決まった型はないということですね(笑)

亀谷政晃 (博報堂):「上海次世代デジタル広告環境3.0」~最新デジタル環境から垣間見える日系広告クリエイティブの生き残り方~(2012年発表)

◎ポスターセッション体験記/宇賀神貴宏さんの場合
【チームでの発表も大丈夫です!】

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そもそも会社でのプロジェクトを基にして発表したというのもありますが、発表も3人で行ないました。ただ、実際にポスターの前で説明したのは、主に若手2人です。私は彼らにほとんど任せるようにしていました。これは彼らにとって説明する場としてとてもいい機会になったようです。

私たちは通常はクライアントへのプレゼンを行うわけですが、ポスターセッションのような場は、研究テーマをさらに深めるためのディスカッションがその場で生まれるからです。彼らにとって勉強になったばかりか、会社のメンバーのスキルアップの機会として良かったと思います。

宇賀神貴宏・稲田康次・山崎遼(ADK):「読者から見た、今どきの新聞・新聞広告・電子版」(2013年発表)

◎ポスターセッション体験記/原田俊さんの場合
【会場の人を意識することも大切です】

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自分の研究をアピールするには、そもそも会場にどういう人が来ているのかを考える必要がありますよね。意識の高い人たちが見に来てくれますので、今までずっと仕事をする中で自分の中に蓄積されてきた、さまざまな疑問や問題意識、これからのあり方について考えていることを発表しました。その結果、みなさんから多くの意見を頂くことができました。荒削りな内容でしたが、自分が思っていることを素直に発表したのが良かった気がします。

そう言えば、私の隣ではディスプレイを使って動画を流している発表者の方がいて多くの人を集めていました。会場の人たちの注目を集めるのであれば、そういう工夫もありということですね。ご参考までに!

原田俊さん(DAC):「アドテクノロジーの起こす変化とプライバシー」(2013年発表)

◎ポスターセッションの体験記/大橋聡史さんの場合
【学部生の方もぜひ発表に挑戦してください】

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学部生の方にとっては、大人たちに交じって発表となると、敷居が高く感じられると思いますが、そんなことはありません。今の学生は私たちと違ってデジタルネイティブ、生まれた時からネットやスマホが当たり前の世代です。例えばスマホの画面で見る場合には、隅から隅までキレイに作り込むことを重視する昔風の広告はあまり意味がないのではないかと、頭のどこかで思っています。そんなみなさんの素の感性に従って発表してくれれば、大人はぐっと興味をひかれると思いますよ。

これからの時代のクリエーティブとはいったい何なのか。今の若い人は、どういうことに心が動かされるのか。問題提起でもいいと思います。発表することでご自身の考えもまとまると思いますし、発表を聞いた人が刺激を受けることができれば、お互いに有意義だと思います。学部生だけの表彰やトロフィーもあるので、ぜひ挑戦してください!(ただし、学部生は、ゼミの担当教員の許可が必要です)

大橋聡史 (現インテグレート。発表当時はADK):「ムーブメントのクリエーティブ – 3.0時代の広告の行く方 -」(2011年発表)

◎ポスターセッション体験記/津田賀央さんの場合
【これがきっかけで転職しました!】

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1年近く考えていたモヤモヤした仕事のジレンマを整理して発表しました。さらにその結果を実践するために、結局は転職まですることになりました(笑)

普段の仕事で歯がゆく思っている事を言葉にすることで、人生を大きく変えるきっかけになりました。実務家の多くは、仕事を通じて『未来はこうなる』と考える事があると思います。個人的な想いでもかまわないので、何か強く考えている事、自身が考える真理について発表すると、人から共感を得られるのではないかと思います。ポスターセッションがいいきっかけになりました!

津田賀央(現SONY、発表時は東急エージェンシー):「Communication as a Service(CaaS) 企業と生活者が直接結びつく時代における”サービスとしてのコミュニケーション”という考え方」(2011年発表)

◎ポスターセッション体験記/宇賀神貴宏さんの場合
【社内プロジェクトを活用しよう】

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社内の新聞活性化プロジェクトをベースにチームで発表しました。実務家の方なら、社内プロジェクトなどで調べたようなことで、社外に出しても差しさわりのないものがあれば、それを活用するのも一つの手です。

社内に向けて発表するだけでなく、CRフォーラムで社外の人に向けて発表することで共感や意外な反応を知ることができ、とても新鮮でした。普段の仕事の成果を発表するのもアリ、ということです!みなさんもポスターセッションという機会を活用されてはいかがでしょうか。

宇賀神貴宏・稲田康次・山崎遼(ADK):「読者から見た、今どきの新聞・新聞広告・電子版」(2013年発表)

◎ポスターセッション体験記/原田俊さんの場合
【発表の場でのフィードバックが勉強になった】

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発表の場では最初は緊張していましたが、だんだん慣れてきました。多くの人の前で発表することで、自分自身がわかっていないところも明確になり、とても勉強になりました。普段お会いできないような先生方から鋭い質問もバシバシいただきました。でもこれは意地悪というわけではなく、私自身も気がつかなかったような視点からの質問であり、こうしたフィードバックがとても勉強になりました。

原田俊さん(DAC):「アドテクノロジーの起こす変化とプライバシー」(2013年発表)

◎ポスターセッション体験記/亀谷政晃さんの場合
【発表ではなく井戸端会議と考えよう(笑)!】

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当日の発表は、2~3時間の長丁場。一方的に説明するというよりは「これ、どう思いますか?」と井戸端感覚で話す感じでいいのではないでしょうか。発表をそのように考えて会場のみなさんと仲良くなって、情報交換を密にする方が、発表者にとってメリットが大きいですね。なので、堅く考えない方が、かえって成功する気がします。

厳密に言えばポスターの枚数は絶対に9枚でなくても大丈夫ですし、気軽に思った事を発表した方がいいと思います。当日は時間内で何度も発表する事になりますが、毎回同じ内容を発表するのも飽きるから、脱線してOKです(笑)。何度も言いますが、日常的に考えていることをそのまま素直に発表する方がいいと思います。みなさん、頑張ってください!

亀谷政晃(博報堂):「2020年亀谷星楽14歳@中学生未来日記。そこから垣間見える新メディア環境とビジネスモデル」(2011年発表)

◎ポスターセッション体験記/大橋聡史さんの場合
【厳密な検証がなくても大丈夫です!】

学会の発表となると「先行研究が」「仮説の検証が」と気になってしまいますが、特に実務家の方は、十分な検証がなくても大丈夫ですのでご心配なく(笑)。いや、もちろん検証はあった方がいいに決まっています。しかし実務家には、その方法論がわからない場合が多々あります。その場合は、ポスターセッションの場で、学者の方々に先行研究に関する知見を教えてもらえばいいと思いますし、実際のところ、みなさん親切に教えてくれます。

学者の方々も、「実務家の発表は実務の背景から出てきているのだろう、そこに何か研究の芽があるかも知れない」と前向きに話を聞いてくれます。

研究者の方々からも、ポスターセッションで実務家の話を聞くのは刺激になるので楽しみにしているとお聞きし、勇気がでた覚えがあります。ポスターセッションをご自身の研究を深め、完成度をあげていくための過程と考えれば、気が楽になるのではないでしょうか。

大橋聡史 (現インテグレート。発表当時はADK):「ムーブメントのクリエーティブ – 3.0時代の広告の行く方 -」(2011年発表)